お知らせ
2020.02.06

一高中国人留学生と101号館の歴史展

2019年4月に発足した東京大学と北京大学の共同教育研究プロジェクト「東アジア藝文書院(EAA)」では、東京大学教養学部の前身である第一高等学校における中国人留学生受け入れに関する歴史を紐解く「一高中国人留学生と101号館の歴史展」を開催することになりました。

明治32年(1899)、第一高等学校は、初めて清国より留学生8名を聴講生として受け入れました。これを嚆矢とし、明治36年(1903)には、文部省より京師大学堂からの留学生30余人の教養教育に関する一切の事務を委嘱され、翌年には留学生を入寮させ、授業も開始しました。さらに明治40年(1907)には、清国政府の要請により、文部省は毎年数十名の清国留学生を第一高等学校に入学させ、卒業後は帝国大学に進学させることと定め、その翌年に一高の予備教育を担う「特設予科」が設置されるに至ります。その後、昭和7年(1932)に「予科」が廃止されるまで、中国からの留学生延べ800名以上が卒業しました。同年「特設高等科」が設置され、ここで三年間学んだ留学生が各大学へと進学する途を開きました。

昭和10年(1935)に第一高等学校が駒場へ移転するにあたって、「特設高等科」の留学生たちの学舎となったのが、101号館です。EAAは、このような歴史的背景をもつ101号館に駒場オフィスを構え、本年度より東京大学と北京大学が手を携えあって、人類共通の未来を描くためのプロジェクトとして始動しました。これを記念し、本展覧会を企画いたしました。

また本年度は教養学部70周年の年にあたり、本展示もその一環として位置づけられるものです。この度の展示は、二つの会場で開催いたします。会場1(101号館内)の展示は、「特設高等科」が設置され、一高が駒場に移転してきた昭和10年(1935)前後の資料群(駒場博物館所蔵)が中心となっています。会場2(駒場図書館内)では、上記の資料に加え、中国人留学生の受け入れが始まった時期に校長であった狩野亨吉に関わる明治30年代(1897~1906)の文書類(駒場図書館所蔵)も展示いたします。いずれの展示も、駒場キャンパスに残された教養学部の前史を知ることができる貴重なものとなっております。

本展示が、歴史を鑑としながら、よりよい東アジアの未来を、引いては世界の未来を築いていくための「新しいリベラルアーツとしての東アジア学」構築と発信に向けての力強い一歩となることを祈念しております。

主催:東アジア藝文書院(EAA)

共催:科学研究費・基盤研究(C)「狩野亨吉文書の調査を中心とした近代日本の知的ネットワークに関する基礎研究」(研究代表者:田村隆)

協力:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部、駒場図書館、駒場博物館

ポスターのダウンロードはこちらから

※ 2020年3月21日(土)に開催の予定されていたシンポジウムは、新型コロナウィルス感染の拡大傾向に鑑みて、来場者の安全を確保する必要から延期することにいたしました。