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2022.06.29

【報告】程凱氏演講会「“社会史視野”如何進入一部作品?――以劉青『種谷記』為例」

2022年311日(金)、程凱氏(中国社会科学院文学研究所)による講演「“社会史視野”如何進入一部作品?――以劉青『種谷記』為例」がオンラインで行われた。同講演は今年のEAA連続ワークショップ「中国近代文学の方法及び射程」第二回目にあたる。今回は60名参加があった。

1942年5月に延安で行われた文芸座談会で毛沢東によって講話が行われた。それを整理した論文「延安文芸座談会の講話」を嚆矢とし、毛沢東時代の文芸体制、創作体制が徐々に形成された。劉青は、毛沢東時代の「人民文学」とリアリズム文学で最も成功を収めた作家だと言われている。長編小説『種谷記』が彼の代表作の一つであった。

今回の講演では、程凱氏は「社会史視野」の適応性について明らかしたうえで、「社会史視野」を使用し、劉青『種谷記』の特有の創作経験、同時代の評論およびテクストを分析し、『種谷記』の内包する農村社会の現実と革命の理論と矛盾を提示した。さらに、程氏は『種谷記』を例にして、「社会史視野」の導入が、毛沢東時代の文芸作品を研究する際に持つ適応性と必要性を明らかにした。

このように、本講演では、程凱氏は「社会史視野」という新たな観点を導入し、多岐にわたって劉青の『種谷記』を論じたのである。
演後に設けられた質疑応答の時間では、柳青の作品『種谷記』と『創業史』(1959年)との差異と関連性、文学と政治という観点から『種谷記』を考察する可能性と限界など、さまざまな問いかけがオーディエンスから提出され、講演は盛況のうちに幕を閉じた。

 

報告者:陳希(EAA特任研究員)