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第141回(2025年秋季)東京大学公開講座「人間の在り方、生き方」

第141回(2025年秋季)東京大学公開講座「人間の在り方、生き方」

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開講にあたって

「たとえ明日世界が滅びることを知ったとしても、私は今日リンゴの木を植える」という、マルティン・ルターの言葉として知られる格言があります。絶望的な状況に直面しても人間は希望と忍耐力を忘れず、生きていくために行動しなくてはならないという教えです。現在、わたくしたちを取り巻く環境は大きく変化しています。命の危機であることもあれば、常識を打破するテクノロジーの飛躍的な進歩ということもあります。

生活が根幹から変わっていくこと、定説が覆されることを、人間は幾度も経験してきました。しかしそれはたんなる破壊なのではなく、故きを温ねて新しきを知るように伝統と革新の対話から生まれる発展の積み重ねであり、それゆえに人間はそのような変化を積極的に受け入れたのでしょう。

東京大学は2027年に創立150周年を迎えます。わたくしたちは一世紀半にわたる長い時間の流れの中で、人間の在り方と生き方の変容を反映しつつ成長してきました。今わたくしたちは、人工知能やロボット工学のように、人間の存在を根底から問いかける技術革新の進展を目の当たりにしていますが、これは既存の価値観の終焉なのでしょうか、それとも途方もない飛躍へのワンステップなのでしょうか。本公開講座では多様な分野と観点からこのパラダイムシフトを検討します。どのような「リンゴの木」をわたくしたちが植えることができるのか、新たな価値観が次々と生まれる時代の人間の在り方と生き方について考え、大きく変貌していく未来に向けて学びを深めます。

第141回公開講座企画委員会 委員長 寺田寅彦総合文化研究科長

プログラム

DAY1「生きる形」
10月4日(土)

12:50~12:55 東大150周年イベントについて
津田 敦  理事・副学長

12:55~13:00 開講の挨拶 
寺田 寅彦 企画委員長・総合文化研究科長

13:00~13:40 「DEIの視点から考えるテクノロジーと人間の生き方」 
田中 東子  情報学環・教授

13:50~14:30 「現代社会に対するハンナ・アーレントの警告」
國分 功一郎 総合文化研究科・教授

14:40~15:20 「生物をお手本とするバイオミメティック材料 」
江島 広貴  工学系研究科・教授 

15:35~16:25 総括討議
高見 典和 総合文化研究科・准教授

 

DAY2「人はどう生きるべきか」
10月25日(土)

13:00~13:30 「ユーダイモニアを情報理工学で追求する」
二瓶 美里 情報理工学系研究科・教授

13:35~14:05 「個人の生き方は法でどこまで尊重されるか」
米村 滋人 法学政治学研究科・教授

14:15~14:45 「神経科学とコンピュータサイエンスの融合」
奥山 輝大 定量生命科学研究所・教授

14:50~15:20 「AI・パンデミック時代に-ガバナンスから考える「生き方」のデザイン」
武見 綾子 先端科学技術研究センター・准教授

15:35~16:25 総括討議 
胡桃坂 仁志 定量生命科学研究所・教授

 

DAY3「ありのままの姿」
11月8日(土)

13:00~13:30 「二足歩行が形づくった『人間らしさ』」
荻原 直道 理学系研究科・教授

13:35~14:05 「花する人間」
中島 隆博 東洋文化研究所・教授

14:15~14:45 「生物はなぜ老い、そして死ぬのか」 
小林 武彦 定量生命科学研究所・教授

14:50~15:20 「ただあるということ-東洋的な価値の再考」
高橋 美保 教育学研究科・教授

15:35~16:25  総括討議 
榎本 和生 理学系研究科・教授

16:25~16:35  閉講の挨拶
津田 敦  理事・副学長

 

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