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第6回 学術フロンティア講義
「30年後の世界へ——学問とその“悪”について」

第6講 5月21日 
朝倉友海(総合文化研究科、哲学・比較思想)

「悪をめぐる三つのパラドックス」
善は悪であるという逆説がある。正義を振りかざす悪については、カントから批判理論まで繰り返し考察されてきた。悪をめぐってはこれ以外にも、悪は悪ではないとか、悪の存在を認めるのが悪であるなど、いくつか逆説的な事態が認められ、西洋哲学だけでなく東アジア思想でも歴史を通じて思索が加えられてきた。これら悪の逆説について問いをめぐらすことで、これからの世界を考えるヒントを得ることにしたい。