イベント

「東アジアの技術と倫理」キックオフ研究会

【日時】2026年2月7日(土)10:00-12:00

【場所】東京大学東洋文化研究所3F第一会議室(対面のみ)

【言語】英語、中国語、日本語

【講演者】
田中有紀(東京大学東洋文化研究所)
  “Humanity and Technology from the Perspective of Chinese Philosophy”
田代裕一朗(東京文化財研究所)
 「贋作」をめぐる技術と倫理―陶磁器を中心として

【コメンテーター】
Prof. Jianjun Mei

Director, The Needham Research Institute, Cambridge
The McDonald Institute for Archaeological Research, University of Cambridge

【司会】
田中有紀(東京大学東洋文化研究所)

【概要】
世界第二位のGDPを誇る中国は、近年「一帯一路」政策を掲げ、巨大な経済圏を構想している。その背後には、優れた電子商取引システムを持つアリババなど、巨大デジタル経済圏を支える技術革新が存在する。これまで「なぜ前近代中国の科学や技術は高水準に達していたのに、近代科学をもたらさなかったのか」がジョゼフ・ニーダム以来、問われ続けてきた。一方で、「なぜその後、中国は経済成長できたのか」についても、現代中国の経済的な発展を潜在的に支えたものとして、前近代の中国思想に注目する研究者は少なからずいた。しかし彼らは、そもそも今の中国の技術がいかなる思想的背景を有していて、それが前近代中国の科学・技術思想や儒学とどのような関係があるのかについて深く議論していない。

本研究会が目指すものは中国の技術思想の解明そのものではなく、東アジアの技術思想を手掛かりに、古代から現在までの様々な技術の研究に関わる専門家が、文理の枠に囚われずに集い、特に人間社会の倫理と技術との関係を考察することで、今後の東アジアにおける理想的な技術と人間の関係を構築することである。現在、AIや医療技術、そのほかあらゆる分野において、倫理的な規範がまず求められるが、そもそも人間にとって技術とはどのような存在なのかを問い直す必要がある。今回は本研究会のキックオフイベントとして、中国の音楽史・技術史を研究する田中有紀、韓国朝鮮の美術史、陶磁器を研究する田代裕一朗が報告を行い、そしてケンブリッジ大学ジョゼフ・ニーダム研究所の梅建軍がコメントを担当し、これまで欧米中心に概念レベルで行われてきた技術論を、東アジアの具体的な事象に属した技術論から問い直す。

【主催】東京大学東洋文化研究所、東京大学東アジア藝文書院潮田総合学芸知イニシアティヴ