東京大学東洋文化研究所所長・教授でEAA学術顧問の中島隆博氏が編集した『比較思想と世界哲学』が東京大学出版会より刊行されました。
比較思想と世界哲学
中島 隆博 編
内容紹介
従来の西洋中心主義から脱却し、諸地域で展開する思想の差異から「比較思想」そのものを問い直すとともに、新たに注目されている「世界哲学」との対話を通じて、普遍的な価値を探求する。国内有数の研究者たち、海外の気鋭の哲学者たちによる17の論考を収録。
目次
はじめに(中島隆博)
Ⅰ 比較思想と世界哲学
第1章 文化的差異を超えて(マルクス・ガブリエル)
第2章 意味の出現から意味の到来へ(下田正弘)
第3章 ギリシア哲学とインド哲学の対決(納富信留)
第4章 中国哲学を普遍化する(中島隆博)
Ⅱ 日本哲学から見た比較思想と世界哲学
第5章 西洋哲学から世界哲学へ(ブレット・デービス)
第6章 哲学・思想の「日本性」?(板東洋介)
第7章 西田の根本経験と比較哲学の基盤(氣多雅子)
第8章 世界から自己を考える立場(板橋勇仁)
Ⅲ 空海と世界哲学
第9章 空海と世界哲学(種村隆元)
第10章 空海の思想概観(大塚伸夫)
第11章 中世インドの言語哲学から空海を読む(川村悠人)
第12章 比較思想としての天長六本宗書(師 茂樹)
第13章 霊異と即身成仏(安藤礼二)
Ⅳ 普遍的思想史の夢の続きへ――中村元と比較思想研究
第14章 普遍的論理学の夢(護山真也)
第15章 比較思想の意義とその展開(保坂俊司)
第16章 普遍思想史の構想(水野友晴)
第17章 ヴェーダーンタ哲学から普遍思想へ(加藤隆宏)
付録
1.文化とアイデンティティ(中野裕考)
2.哲学的方法を再考するために(ゲレオン・コプフ)
3.空海の思想構造――ことばと身体(阿部貴子)
あとがき(中島隆博)
