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第13回 学術フロンティア講義
「30年後の世界へ——学問とその“悪”について」

第13講 7月9日 
石井剛(総合文化研究科/東アジア藝文書院、中国哲学・中国思想史)

「たたかう「文」: 言語の暴力と希望について」
わたしたちは言語を使って、自分がいまここにあると自覚し、自分に向き合うものごとを認識し、知覚を超えた現象の外側の何者かに対する想像をめぐらしています。言語はその限りで「ものそのもの」、「世界そのもの」とは絶対的に異なっています。そうであれば、言語によってなにがしかについて「正しく(誤りなく)」表現すること自体は、そもそも不可能な目論見だと言わざるを得ないでしょう。では、そうであるにも関わらず言語を使うことによって生きているわたしたちは、虚無の深淵に陥ることなく、尚も言語によって「正しく(ふさわしく)」生きていくことがどうすれば可能になるかを考えなければなりません。主に中国の先人たちの声を聞きながら、この問題について皆さんといっしょに考えてみたいと思います。