上海インターンシップ報告

8月20日から23日まで、上海インターンシップ視察に出かけてきた(EAAからは石井剛と伊達聖伸が参加)。ダイキン工業を受け入れ先とする東京大学グローバル・インターンシップ・プログラム(UGIP)で2週間中国に滞在する学生たちに同行する形で、最初の数日の行程をともにした。

到着日は、浦東空港から市街まで出て散策したあと、南京西路にあるダイキンのビルでカスタマーサービスセンターとショールームを視察した。上海はダイキンが中国に進出した最初のそして最大の拠点であり、高級ブランドとして市場を開拓してきた様子をうかがうことができた。

2日目は、午前中は上海工場と技術開発研究院(R&D)を見学し、午後は田谷野憲大金(中国)董事長兼総経理、ダイキン副社長の講話をうかがった。変化が早く、巨大市場の勝者がグローバルスタンダードを握るという厳しい現実との対峙を強いられる中国で、世界統一品質にこだわりながら現地化を進めてきた様子と情熱を感じることができた。

3日目は、午前中は新幹線で蘇州に移動しダイキン蘇州工場を視察し、午後はインダストリアルパークエキシビジョンセンターを訪れた。上海工場と蘇州工場を続けて見ると、両者の特徴と違いも見えてくる。エキシビジョンセンターでは、学生たちは進んだ中国の技術に感激しているようであった。

朝早くから夜遅くまで、行く先々でダイキンの社員の方々から熱烈歓迎を受けた。巨大企業ということもあって社員の価値観は多様で、食い違いさえ見られたが、それを隠すでもなく、むしろにじみ出てきたのは関西系企業としての逞しさで、日本の技術を中国で守ることに賭ける挑戦の姿勢と、新しい業務文化を創設しようとする開拓魂が伝わってきた。

私自身にとっては初めての中国で、この年齢でもいろいろと刺激を受けたり、発見があったりしたのだが、きっと若い学生の感受性は、ずっと多くのものを、深く受け止めていることだろう。

いささか抽象的で、漠然としていることも事実だが、私のなかには次の2つの問いがある。(1)産学協定が珍しくもない現在の日本の大学を取り巻く環境において、いわゆる文系部門に属する自分の学問研究の意義をどう位置づければいいのか。(2)フランス語圏地域研究に従事する東アジア藝文書院(EAA)のメンバーとして、東アジア「から」考えるとはどういうことか。そう簡単に答えが出る問いではないが、今回の滞在はひとつのヒントになると思っている。

伊達聖伸(東京大学総合文化研究科准教授)