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2022.07.11

大江健三郎シンポジウム2022準備会(3)

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7月7日(木)夕方、EAA駒場オフィスにて、今年の終わりに計画している大江健三郎をめぐるシンポジウムについて意見交換する時間をもった。今回から新しく村上克尚氏(言語情報科学)がくわわって、菊間晴子氏(総合文化研究科表象文化論コース教務補佐員)とわたしの3人で、これまでの大江研究動向、批評でとりあげられてきた作品の傾向、『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』(2013)にて炸裂することになる女性たちの声について、あれこれ話をした。たとえば共同体のように主要とされてきたテーマからは逸脱する——というよりもそのような枠組みにはまるで収まりきらない声たちについてゆくおもしろさを言葉にできてたのしかった。

 

今月中にもう一度集まって、今度は各国語に翻訳された大江のテクストを持ちよって読みくらべを行おうという話になっている。短篇「空の怪物アグイー」の原題は「さよならアグイー」であったことが草稿からあきらかになったというが、8月以降、大江文庫を視察したり大瀬村を訪れたりするアイディアもささやかながらあたためている。実現したい。

 

報告:髙山花子(EAA特任助教)