プロジェクト
一高プロジェクト

映画『籠城』

映画『籠城』

──自信のないものに人間は形式を与えるものだ。自分自身、家族、国家……人間の生とかかわることばかりなのに、なんて、見失いやすいのだろう……。私は、どのように人生にかたちを与えればいいのか知るために、研究をしているのかもしれない。

──歴史にとらわれず、規範にとらわれずに生きるのが、自由だというのだろうか。ほんとうに自分自身を生きていると言えないまま……こんなことばかりが私の頭を巡っている、ずっと……私の中で……。

旧制第一高等学校(通称、一高)は、1935年に本郷から駒場へと移転するが、そこでの生活は、本郷時代以来の「籠城主義」と呼ばれる自治寮での共同生活に支えられた、独特かつ閉鎖的なものだった。だが、1941年、1942年と戦時色が深まるにつれ、一高のアイデンティティともいえる「籠城主義」は、そのまま維持することはできなくなってくる。

本作は、あたかも一高生らに同一化するかのように、アイデンティティの拠りどころを求めて研究に専念する大学院生の主人公「わたし」の意識を通じて、駒場時代の一高を描き出す。

出演

声:金城恒、高原智史、永澤康太、新田愛、宮城嶋遥加、安原由佳、朱彬
男子学生:乙幡亮

スタッフ

監督:小手川将
プロデューサー:髙山花子
脚本:小手川将、高原智史
撮影:一之瀬ちひろ
音楽:久保田翠
サウンドデザイン:森永泰弘
音響協力:福田貴成
録音エンジニア:中村益久
編集:小手川将
記録:日隈脩一郎
企画:石井剛
原案:高原智史「独白録」
制作協力:田村隆、星野太、二瓶剛(SETENV)
資料協力:東京大学駒場博物館、折茂克哉、坪井久美子、東京大学駒場図書館、国立国会図書館
特別協力:宇野瑞木、宋舒揚、横山雄大、立石はな、林義春、陳希、宮﨑泰樹、東京大学情報学環メディアスタジオ、山内隆治、柳志旼、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部
制作:東京大学東アジア藝文書院(EAA)
2022年/65分/日本/カラー

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